誰のモン?











放課後の教室。

秋生は真里を待っていた。





クラスの連中は皆、早々と教室を後にし、秋生と美紀の2人だけが残されていた。

「…マー坊くん、遅いね」

「どこで何やってんだか分かんねーべ、マー坊は」

一緒に帰る約束をしていたので、先に帰る訳にも行かず、こうして秋生は真里を待っている。

そんな秋生を、美紀は待っている。

「…ねえ、アキオ、」

「ああ?」

「…」

何か言いた気な美紀の言葉を秋生はぼんやりと待つ。





「あのさ…」

「アッちゃ〜ん、お待たせ〜!」

ようやく口を開いた美紀の言葉に、元気の良い真里のそれが重なる。

「あっれェ、ミキもまだ残ってたんだ?」

無邪気に問う真里。

「ん…まあね。…もう帰るわ」

美紀は苦笑して、手を振って教室から出て行く。





美紀が行った方を目で追って、

「ふぅん?」

秋生の方を見てチラリと笑う。

そんな真里に気付くが、何も言わず、視線で「何だヨ?」と返す秋生。

別にやましい事ないぜ…?





「ミキってさ〜絶対アッちゃんの事好きじゃん…?」

「そうか?」

「うん」

やっぱりちょっと笑ってる真里。

「何ニヤニヤしてんだよ?」

「ん?」

ミキと怪しかったら嬉しいのかよ?

普通は逆だろ…?

「…だってさ〜」

そう言って、秋生に近づく真里。



椅子に座っている秋生の肩に手をついて、膝に乗る。

「アッちゃんって」

髪が触れるくらい、間近で真っ直ぐに見つめる。

いつもとは違う視線の高さで秋生を見下ろす。

「オレの、モン…じゃん…」

うっとりと目を閉じて、秋生の唇を奪う。





「…だろ?」

唇が離れた時、当然の事のように言って、笑う。

その笑顔がいつもの無邪気なものとは、違う性質のものだったので

(…タチ悪ィ…)

秋生は思う。

真里の艶っぽい微笑みに目を奪われる。

返事の変わりに真里の唇に触れる。

静かに、しかし深く口付ける。

ニ人の影が、薄暗くなった教室で、また、重なる。







「帰ろーぜ?アッちゃん」

なかなか離れたがらない秋生の唇を遠ざけて、秋生の膝から軽い身のこなしで降りる。

何事も無かったかのように、今度は無邪気な笑みを浮かべて出口へと向かう真里。

(ホントにタチ悪りー…)

秋生は、一方的に与えられた熱を持て余す。

昂ぶった気持ち、と体。

それをなだめるように大きな溜息を吐く。

気まぐれに煽られたら、堪らない。

(…責任取れよな…)





秋生はそう思いながらも、仕方なく真里の後を追った。

納得のいかない溜息を吐きながら…。
















☆ニブニブアッちゃんと自信満々のマー坊。
 さらにマー坊はちょっと意地悪。
 気まぐれじゃなく、あれは確信犯で。
 強気でアッちゃんの事振り回す感じのマー坊が好きだ〜!(笑)

 しかしながら、アッちゃん、トホホなカンジで。
 もう、本気出してこの後トイレにでも引きづり込みますか(←やめろ!)
 それにしてもアッちゃんってニブそう…。まあ、原作では微妙に春になってましたが(笑)←美紀と
 で、マー坊も鈍そうだけど、マー坊の場合もう、恋愛対象じゃないっていうか…。
 子ども…っていうか。だんだん、晶も別にマー坊の事好きじゃ無さそうに見える(笑)
 20巻以降、マー坊の幼児化が進みますが、アレは頂けません。
 ショタ系無理なんで…。萌えれない(笑)
 なので、チイはマー坊のイメージは19巻くらいまでで徹底したいと思います。


(2003.10.11)
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