発見。
集会の夜。 オレは、自分の単車に凭れ掛かって佇む緋咲さんを見ていた。 ヘッドライトを背に受けて佇む姿はいつもと変わらない。 けど、 あの唇は、昨晩オレが触れた唇で 冷たい瞳は、熱っぽく潤んでで 紫煙の代わりに吐き出されたのは、甘い吐息と声だった そして首筋には赤い跡 昨晩。 残念ながら自分の仕業でないソレに気づいたオレ。 『…どーしたんすか、これ。……誰が?』 ってゆうか、今まで誰ンとこに居たんすか? この人の事で、オレが分かってる事なんてほんの少ししかない。 いつも。 『カンケーねェだろ…?オマエに』 あっさりと冷酷な一言が返ってきた。 そう。 オレには関係無い。 オレが気にする事じゃない。 知りたいと思う事も許されてない。 こんな、跡までつけて。 いったい相手はどこの誰だよ ……だけど、知ってどうする? 自分自身に問い掛ける。 簡単だ …ぶん殴りてェ。 オレの心中を見透かしたように、笑う気配がした。 歯がゆい。 アンタが憎らしい。 嫌いになれればいいのに。 だけど、どういう訳かオレはムチャクチャアンタに惚れてて。 悔しい。 アンタの必要な時だけ利用されるオレ。 傍からみたら物凄く惨めだ。 オレはそれでもイイと思ってた。 だけど……今は違う。 その事に、他人のつけたキスマークを見て、明確に気づかされた。 本当の自分の気持ちを知ってしまった。 気づいてしまった。 それが昨日の晩。 今。 オレは黙って緋咲さんを見てる。 ふ、と視線を上げた緋咲さんと目が合う。 だけどその視線は、興味無さ気に、すぐに他へと泳いでいく。 男だから 好きなもんは手にいれたいし 惚れた相手は独占したい 他のヤツのもんならば、闘争心を掻き立てられて ソイツから奪いたい 頭のてっぺんから、つま先まで その声とか表情とか 視線とか 全部 独り占めしたい オレは、アンタを独り占めにしたいんだよ オレのものにしたいんだ そんな事、 思う事さえ許されてないようなオレ達の関係なのに オレはこんなにアンタに支配されてて なのに何一つアンタを得てない アンタが欲しい 思いっきり バカみてえだ、オレ。 そんな事を思いながら、オレは緋咲さんをただ見ていた。 ______________________________________ 男の子・土屋(笑)…ははは。←笑うな いや、何か熱い土屋。熱いっちゅーか…青春?(あ、また出た!チイの勘違い青春が…!!笑) 土屋は立場上、緋咲に何をどうこう言いませんが、腹の中では色々思ってるんです。 ま、そういうわけで、土緋において土屋がヘタレなのは基本ですが、 うっかり鬼畜土屋ってのもイイかと思う(…なんの話…!!) 私、最近気づいたんですが、敬語に弱いみたい…(笑) 攻めが敬語ってのに何か萌えてくる。でもこう、リーマンとかのちゃんとした(?)のじゃなくて、 ヤンキーとか学生達の変な敬語っつーか…まさに土緋。 で、たまにタメ口になったりするのにもすっごく萌えるんだ…。 (2004.9.18) 戻る |