春。2
秋生の優しい腕の中。 真里は考える。 ……龍也。 誠さんとは、同い年で、いつも張り合ってた。 絶対、龍也は誠さんの事、ライバル視してた。 アイツは言わないけど、オレはそう思う。 誠さんが死んで。 アイツはどう思ったのか。 ライバルが消えて嬉しい? いくらアイツでもそれは無い。 ――そんなの絶対、許せねェ。 アイツは人一倍誠さんに執着してるハズだから。 だから。 新しいチーム。 まるで、誠さんの事を無かったかの様なその態度が、悔しくて。 オマエだって、本当は誠さんの事…… なのに、全部ふっ切れたみたいなその態度が。 悔しくて。 なのに、アイツは言うんだ。 ――誠のこと忘れてーんなら… 一番、忘れられないのは、オマエだろ。 本当は。 「…………」 本当は、ソコんとこオレと一緒だろ。 ……違うのか? 「マー坊…?」 「…ウン」 「アイツの言う事、…気にすんなよ?」 心配そうに覗き込んでくる秋生。 優しくて、自分に安心感を与えてくれる幼馴染。 だけど、今のオレにはその言葉は素通りで。 今はどうしてか龍也の事で一杯で。 龍也の事しか考えられない。 喧嘩してーのか何なのか、自分でも良く分からないけど。 アイツを、何とかしたいんだ。 ☆★☆★ 「春」と銘打ってるからには春のうちにアップしようと言うわけで。 もう、すっかり忘れられてそうな龍マーですが。 でもこのシリーズはマジメなので大変です。考察が基本なんです(笑) うっかりするとすぐにギャグに走りたくなる自分を抑えるので一杯一杯!! (2004.4.30) 戻る |