眠い目を擦って瞼を開ける。
『ヒロシ、起きろよ』
未だ焦点の定まらない視界の中で、オレの腹の上に跨った天羽があの笑顔で見下ろしている。
「…テメーは、なに人の上に乗っかって笑ってやがんだコラ…重てーだろが!」
「まあそう言うなって。おまえのイビキがガーガーうるせーのが悪いんだぜ?」
眠れねえよ、とオレを責めながらゴソゴソとベルトを引き抜く。
……??!
「なあ、ヒロシ。オレと気持ちいコトしないか」
そう言った天羽の手が突然(そう、オレにとっては突然に!)オレのズボンの中に侵入してくる。
「……はあ?!」
訳分かんねえ!
いや、コイツが訳分かった試しはねえけどよ!
だけど、今度ばかりは冗談キツイぜ。
何で、このバカにオレはオレのアレを嬲られてんだ!
「げっ!」
「げっとか言うなよ」
そんな気は全く無かったのに、ダイレクトな刺激にうっかり声を上げたオレにムードがねんだよ、と不満の声。
…ムードって何だ何のだよ。
「お、おま…ぶっ殺すぞっ」

ヒロシ×天羽
やばい。マジでやばい……。
何がやばいって、そりゃコイツに擦られて反応返してるオレがよ。
何が悲しくて男に触られておったてなきゃなんねーんだ!
「どうしたヒロシ。きもちいだろ?」
それも、コイツ。
勝ち誇ったような顔で天羽がオレを見下ろしている。
深呼吸して冷静に、頭を整理しようとしてみる。
(何で、コイツが、オレの、アレを、扱いてんだべ…?)
……ぜんっぜん、コレっぽっちもその理由が分かんねーんだけど?
「うおっ…」
だけどこの快感はどうしようも無く本物で、オレは今天羽に(無理矢理)イかされそうになっている。
「やめろっっつってんだろがっ…!!」
「きもちいクセに…意地張んなよ」
天羽は全くオレの言う事に耳を貸さない。
オレから降りる気なんて更々無いし、アレを擦り上げる手も止める気配は感じられない。
「こーんなに勃ってるクセに」
「悪りーかよっ!!触られたら勃つだろが、普通はよ!」
…そりゃ健康な男が股間触られて感じねえ訳ねえだろが!…とオレは開き直る。
ふふふ、と恐ろしげな微笑を湛えている天羽。
「もっと触って、って言ってみろ?」
…ああ??
オレは触んなって言ってんのに…コイツ全く人の話聞いてねえな…!と怒りで沸騰しそうだ。
「そしたらイかせてやるぜ?」
誰が言うか!!このボケ!!変態!!











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ヒロシは天羽に襲われ気味で。
天羽くんはオレ様で自分勝手。
主導権を握りたいタイプ。
しかし、自分では尽くすタイプと思っていたりする勘違い人。
嫌がってるヒロシに無理矢理あんな事やこんな事をやらかしても、本人、してあげてると思ってる。
いやでも好きでやってるんだけども。
嫌がるヒロシを見て楽しむ可能性も十分にアリ。


(2006/12/06)
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