『ヒロシ反撃!?押し倒し返し』










何度、天羽に押し倒された事だろうか。

ヒロシは、もう何度目か分からないその屈辱的な状況に、

……いつもいつもコノヤロウっ!!

と、怒りに任せて、とうとう天羽を押し倒し返したのだった。




しかし。

押し倒し返した…までは良かったのだが、

……次の瞬間、どうしたらいいか分からなくて固まってしまった。

力任せに体制を入れ替えて、自分が天羽を押し倒している。

……で、オレはどーすりゃいいんだ!!てゆーか、何でこんなコトに!

天羽はというと、ヒロシに反撃された事については全く動じていない。

むしろ、この状況をそれはそれで楽しんでいる様子で、口元には笑みを浮かべヒロシを見上げている。

ヒロシに腕を上から押さえつけられたままの姿勢でニヤリと微笑む。



「さあ、どうするんだ?、ヒロシ…?」



その微笑はとても悪魔的。

コイツ……

挑発的な天羽に、何とかして痛い目に合わせてやりたい…という気持ちが募る。

そして、どうして良いか分からないものの、このままでは引っ込みがつかないわけで…

「まずは…キスからもう一回?」

そこをさりげなく誘導してくる天羽。

目を細めて余裕たっぷりに微笑む。

腕を伸ばしてヒロシの首に絡みつけ、引き寄せる。

ヒロシから目を逸らさず、微笑みかけるその顔はまるで天使のようで。

不覚にもそんな天羽に見とれてしまう。

……目を逸らせないでいる。



「……」


で。


…まるで催眠術にかけられた様に。




結局、ヒロシは天羽の意のままに。


















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後日。

……俺って面食いだったんかなぁ…。

あの時の事を思い返すヒロシ。

不覚にも天羽に見とれてしまった事について。

そして結局、天羽の思うがままになった事について。

そもそも時貞に見とれるとかどうよ、とか。

ってゆうか、オレ情けなくねえか、コレ…。

等々と悩むヒロシ。



さらにアイツとあんな事やらこんな事をするってどうよ、と深刻に悩んでみる。

というか、思い出して照れる。

何やら色々思い出すと顔が火照る。

ああ!もう、クソっ!!

で、次会った時アイツの顔をまともに見れねー!と思っていたのに。

「よぉ」

そんなヒロシの心中は全てお見通しなのか、天羽ときたら、

顔を合わせた途端にくっついてわざわざアップで迫ってくる。

「いつも邪魔だと思ってたんだよな…」

と言いつつサングラスを取り上げる。

コイツ、いじめっ子かーー!!人のイヤがる事ばっかりしやがって!!

その瞬間、ばっちり目があって固まるヒロシ。

げっ!…と自分の動揺が全て見透かされてるようで焦る。

慌ててサングラスを取り返す。

しかし天羽はヒロシの葛藤などどこ吹く風。

「ふふ…」

むしろそんなヒロシの様子を見て楽しんでいる。

「…可愛い奴…」

「ああ?!」

そんな天羽の呟きを耳聡く聞きつけて、ヒロシはやっぱりキレてしまった。






キヨシはというと、そんな二人を少し離れたところから眺めていた。

結局ギャーギャー喧嘩を始める二人。

タバコの煙を吐き出しながら、呆れながらも二人を見守るしかない。

「やれやれ…」

口元には微笑みを湛えて。






こんなかんじで……三鬼龍の平和な日。













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悪魔っ子天羽(見た目は天使)による催眠状態。
あの赤い目がキラリと光るのだきっと!
(てゆーか、ヒロシの自主的反撃期間は超短かった…)

実はヒロ天は自分的にバカップルだったみたいで…(笑)
ヒロシと天羽なのにこんなに甘い。甘甘!!(?)
ちょっと恥ずかしい。
実は私、ヒロ天においては結構乙女です。
実は(自分で書くなら)エロはいらないかも…とか思ってる(←卑猥な事ばかり言ってるくせに)
ヒロシと天羽、どっちが受けで攻めでもイイような気がするのはむしろその反動(?)です。
リバっぽいと思ってたけど自分が求めているのは実はその反対なのではないかと思う。
エロっぽい事が無くて、そこまでたどり着けなくて、
見ててイライラフラストレーションが溜まるようなそんな関係がいい(笑)

自分では出来てる前提で書いてしまってる事が多いけど、実は寸止めがいい(笑)
そういう焦らしカプでも良いと思う!
誰か、そういうヒロ天を書いてくれないものかと切実に思う。


(2007/03/07)
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