そして、今。
日も暮れて、一緒にビデオ見ねー?と言うマー坊の言葉で、マー坊の家に。 とりあえず、潮風に吹かれて塩辛くなったオレ達は二人で風呂場へ。 ついでに重ねた唇と、その吐息の隙間から 「ねー…も、泊まってきなヨ?」 そうマー坊に誘われて、結局そのまま朝方まで他人には言えない類のコトして。 眠りについたのは、ついさっきのこと。 ……ビデオはどうなったんだ。 もう、窓の外は明るい。 マー坊といると夜なんて一瞬だ。 横ではマー坊がスースーと気持ち良さそうな寝息を立ててる。 いつの間にか天使はオレのモンになって。 その実オレが捕まったのかもしれねーけど。 こうしてオレの横にいる。 時計を見るとまだ7時。 あんまり寝てねーけど、台所から音がするので起きてしまった。 マー坊の母親だ。 いきなり部屋に入って来ることは無いけど、 裸で一緒のベッドで寝てる状況はかなり落ち着かない。 オレはベッドから出て服を着る。 乱れた髪を気持ち整えながら部屋から出る。そして台所へ。 「あ、アッちゃん、オハヨ。」 「ウース」 マー坊の母親は、朝一でオレがいても驚かない。 それくらい、オレがマー坊と一緒にいるのは普通の事と認識されてる。 「真里は?」 「まだ寝てる」 オレと話しながらも、台所の引き出しをあちこち開けては中を伺ってる。 「…何か探してんのか?」 「うん、オレンジ搾るやつ」 そう言いながら流しの下の引き出しを開けてゴソゴソと探している。 惜しーんだけどよ、ソコじゃねんだよなー…。 オレは密かにこの家の事に詳しい。 もしかしたら、ここの母子よりも。 「ホラ」 オレは食器棚の一番上の段から搾り機を取り出して、彼女に差し出す。 「あーもう、アッちゃん、ほんと頼りになって好き!」 目をキラキラさせている彼女はマー坊と同様に可愛らしい。 「そりゃどーも…」 オレは苦笑する。 オレの方がこの家の台所事情に詳しいってのも変な話だけど。 好きなヤツの親から好かれるのは気分いい。 そうこうしていると、目を覚ましたマー坊も自室から出て来た。 「あー、かあさん、オハヨ〜」 「オハヨvv何だか3人揃うの久しぶりじゃない?」 「そう?」 「うんうん、かあさん張り切って朝食作るわー!ちょっと待っててね!」 「わ〜い!」 「……オレら今日ガッコだぜ?」 ハッキリ言ってトロくさい彼女が今から朝食を作るんじゃ遅刻決定じゃねえの? 「マジでっ?そ、そうよね!今日平日じゃん!急ぐわっ!」 「え〜まあ、いいじゃん?」 「オレ手伝おうか?」 「ホント?アッちゃん、お願い!」 結局、どうしてもこの母子には俺は手を差し出してしまうようで。 ほっとけねーんだよなぁ…どうしても。 顔洗ってくる、と洗面所の方に行ってしまったマー坊をよそに、 オレ達はせっせと朝食作りを始めた。 「あーオレも顔洗ってねー。ちょっと洗ってくる」 洗面を済ませてなかったことに気づいたオレは、そう言って小走りで台所を出る。 洗面所ではマー坊が歯を磨いていた。 口をゆすいで、オレのために端によける。 オレはバシャバシャと顔を洗って、マー坊の肩にかかっていたタオルで顔を拭く。 「なー…アッちゃん、昨日さー」 「んー?」 「何かさー、……たまってたワケ?」 「ああ?」 クス、と微笑みながら、困ったような顔でオレを見上げてくる。 「だって、オレ今日すげー眠い…昨日、アッちゃんがなかなか寝ないから」 「ワリー……」 でも思えば、自分から誘っときながら。 やっぱ、子悪魔だよな。 そう思いながら、可愛いマー坊にキス。 髪を撫でながら、ゆっくりと舌で唇をなぞる。 …ずっと、こうしてたい。 だけど、不穏な香りが台所のほうから漂って来た。 それはなにやら香ばしい香り。 「……やばい。目玉焼きが焦げそう」 「マジ?」 オレ達は唇を離して、そして笑う。 だけど笑ってる場合じゃない。急いで台所に引き返す。 「しょう子さん、目玉焼き焦がしてねー?!」 「えーっ?!」 真剣な顔つきでレタスをちぎっていた彼女はハッと我に返る。 「もー、かあさん…何か焦げてるヨ〜?」 フライパンを開けて、焦げてしまった目玉焼きを見つけるマー坊。 「ああ〜〜〜……」 「まっ、もっかい焼けばいいべ?すぐ出来るしこんなん」 へこむ彼女の肩をポンポン叩いて慰める。 どうしてこの母子はこんなに可愛いんだろうか。 オレは思わず笑みがこぼれる。 「あー!アッちゃん私のことドンくさいと思ったでしょー?!」 「いやいや、思ってねーって…」 ホントは思ってるけど。 「いいよね〜アッちゃんは何でも器用にできてー…」 何か拗ねてるし。 「そうそう。アッちゃんってスゴイよな〜!」 「ウチに嫁に来てよ!」 「あー?」 「あっ!それいーじゃん!」 「ねー来てよ〜〜!!」 ねー…と言われても。 こうして、オレとマー坊とそしてマー坊の母親と。 朝から和気藹々と朝食作り。 無邪気に笑うオレ達。 オレは思う。 マー坊の母親からは物凄く信頼を得ているオレ。 そんな彼女に対して。 嬉しいけど。 だけど、ごめん。 一応、謝らないと。 アンタの大切な一人息子、は。 オレと、世間ではあんまり大きな声では言えないような関係。 それって、アンタの…オレへの信頼を裏切ってるのかも。 だけど、ワリーけど、どうしようもないんだ。 マー坊のこと、好きでしょうがないから。 オレはマー坊と離れたくないし、離れられないから。どうやっても。 幸せにするから。 だから、アンタの大事なマー坊をオレにくれよ。 てゆーか、もう、返さないから。 ……嫌だっつーなら、奪い取るから。 ___________________________________________________________________________________ 現在(高1)秋マーです。 この前に互いの気持ちを確認して〜っていう話を捏造したい。 イメージ中3くらいで。 でもその前に初めてのチュー話をも捏造したい。 イメージ中1くらいで。 両思いじゃなくても、うっかりチューしちゃうの!(キャ!☆) んでもって今回が対マー母話だったので、対アッちゃん周辺話とか捏造したい。 ……妄想だけは激しくしてます(笑) ところでマー母は勝手に「しょう子さん」になりました。捏造捏造。 だって、アッちゃんが「おばさん」っていうのも何か変なような気がー(笑) んでもって、マー母が張り切って作ってる朝食メニューは、 目玉焼きにウインナ、サラダ、スープくらいのもん。 そんくらいちゃっちゃと作れん程度に料理出来ないカンジで。 (たぶん並行して作業できないタイプ?…←知らんがな) (2004.12.11) 戻る |