真里、真里、真里
ガキの頃から一緒に育って来たけど、
高校になって俺らとまるで違う体躯に育ったおめーは眩しすぎんべ・・・
ガキの頃から変わらない純粋な笑顔。俺に向けられる信頼しきった目。
そのイメージは柔らかな光。
俺を温かく包む安らぎ。
一変。
喧嘩相手が現れた時のオメーは鬼神そのもの。
凝縮された力が爆発する時に出す閃光にも似て、俺を焼く。
どちらも俺を引き付け焦がす真里と言う存在。
たまんねーべ・・・
それが思春期のせいだと言うならそれでもいい。
もう俺には抑えられない。



「何?あっちゃん?俺に喧嘩?」
他のみんなが先に帰った真嶋商会で、
ビリビリと肌を刺す覚えのある空気に真里が先に口を開いた。
「そんな訳ねーべ」
「だって本気だって言ってるよ。そんなにギラギラ殺気をみなぎらせて、
ごまかしはきかねーよ?」
「・・・」
「・・・いーよ。どういうつもりだかしらねぇけど、
俺もあっちゃんとどっちが強えぇかやってみたかったんだv」
目を見開き眉を寄せ、アルカイックに口端を持ち上げて笑う真里。
その悪魔の表情にも胸が熱くなる。
それがどう表に出たものか。
ガッ・・
殴りかかって来たのは真里が先だった。
「どうしたんだよ。避けねぇのかよあっちゃん?」
「これくれぇ・・・避けるまでもねぇ」
「!」


真里が秋生に感じていた物は何だったろう。
肌を刺す本気の殺気。狂気?
何かに気付いてた。それを無意識に恐れてた。
だから無抵抗の秋生への暴行が止められなかった。
「なん・・で手をださねぇんだよ・・ッ?!これじゃ俺ぇ・・・バカみてねじゃねぇかよッ?」


仰向けに転がった秋生の上に跨り、血のついたこぶしを握り締めて、
無傷の真里が苦しげに叫ぶ。
「あっちゃん!!?」
その時やっと、秋生の手が上がった。
真里の色の抜けた柔らかな髪を絡ませ、そうっと頭部を引き寄せる。
「・・・泣くなよ・・・」
至近距離まで引き寄せられた顔はそのまま一部分が軽く触れ合わされた。
「・・・!?」
真里の目が見開かれる。
次の瞬間ガバリと身を起こし、真嶋に問うた。
「泣いてねーよ!?それに何だよ今の!」
「涙出てんべ――・・」
確かに少し、目の渕が熱く涙が滲んでいる自覚はある。
それが何でだか分からなかったけれど。
「・・・さっきまで俺を殺すみてぇな目で見てたのは何だったんだよっ?」
「そりゃぁおめぇ・・・」
よっ、と秋生はどうにか痛む身を起こした。
「俺の本気・・・だからよ」
チュ、と今度ははっきりと唇を合す。
「あっちゃん?!」
慌てて離した真里の顔は真っ赤で、滲んだ涙で潤む目も可愛らしい。
さっきまでの鬼気は微塵も感じられなくなっている。
「俺ぁ本気で・・・おめぇの事めちゃくちゃしてぇって気持ちを・・・押さえ切れねぇ」
押さえ切れずに滲み出した心からの本気。
自分でその後ろ暗い思いを殺してしまおうと葛藤してみても殺しきれず。
真里に気づかれ。
真里は一瞬驚いたように目を丸くしたが、後は表情を硬くしたまま伺う事が出来ない。


全身固まったような真里に秋生はまた口づけた。今度は逃げない。
秋生もすぐ放すことはせず、唇の端から頬にかけて、
啄ばむようなキスをくれた後、閉じられたままの薄い唇を舐めた。
ビクンと真里の体が強張ったのが分かる。でも殴られはしない。
これが自分がボコられる前だったらとっくに殴り飛ばされ、
ギャグで済まされていたに違いない。
呼吸を詰めていた真里がとうとう口を開いた瞬間を見逃さず舌を差し込んだ。
噛み切られませんよう。
深く口腔を侵し震える舌を捕まえる。
誘うようにその舌を舐めていると、いつしかそれも伸ばされ二つの舌が絡んだ。
「ん・・・ン・・」
深く合せ閉じられない口から唾液が伝う。
血を流したような錯覚に、二人の体が熱くなった。
夢中でキスを貪って、どれだけの時間が過ぎただろう。
痺れた唇と首筋まで伝う唾液がそれを告げている。
「・・はぁ」
真里の腕は秋生の首を抱き寄せ、秋生の腕は真里の腰を抱いていた。
寄せ合った真里の腹に、固いものが当たっている。
くす・・
真里の顔に無邪気な時とも喧嘩の時とも違う微笑が浮かんだ。
!!
秋生は自分が喰われたのを知った。見てはいけないものを見てしまった。
その刺し殺すような妖艶な微笑。鬼神が誘う楽園への妖気。
「いいよ、あっちゃんがしたいなら」
「でもおめぇ・・・痛ぇべ・・・」
「大丈夫だよ。今更痛いのなんて感じる俺じゃねぇよ?」
そりゃ打たれ慣れてるだろうけども。それとは違う気がするし・・・。
「だいじょ〜ぶだって、あっちゃん。しよ〜ぜv」
いつもの真里の口調に戻ってあまりにあっけらかんと笑う。
つられて秋生の体からもふっと力が抜けた。
「俺の部屋でいーか?」
「その前にあっちゃんシャワー浴びねぇと。血と砂で汚れてんよ?」
秋生が立ち上がるのに手を貸しながら真里が言った。



「一緒に入ろvあっちゃん。・・・・・・俺もあっちゃんのこと大好きだよ」












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(以下、kikiさんのコメントです)
なーんて!!
ぎゃーおかしいですねー!!やっぱ素人が書くとー!(汗)
どうもやっぱり私はあっちゃんとかマー坊とか呼ばせるのが苦手ですョ^^;;
秋生、とか真里、とか呼ばせたくなっちゃう〜。

やっぱこの後はお決まりで、いざ痛いのなんかいくらでも無視できるさ!
と思っていた真里なんだけど
気持ちいーコトいっぱいされちゃって、気持ちいーのは我慢出来なくて、
「ああっ、やめろよっ・・あっちゃん・・・!」
とかお願いしちゃったりしてv
でもあっちゃんここに来て意地悪心がむくむくと。
(そんなに余裕があるとは思えないけど)
「まだだ・・真里、もっとヨクしてやんべ・・・」
とかまるでオヤジじゃん!!(爆笑)高校生のはずなのにー!!
でプライドあるから嫌なんだけど、そうまでされたら我慢出来なくて、
そしたらもう原作どおり?!のマー坊甘え声ロリ声炸裂v
「あっ、あん、あっちゃん!そんなにしちゃ、いやぁ・・・!」
秋生は爆発です(死)


(チイ)
kikiさんより頂きましたーー!!やった!!
実はkikiさんはジャンル違い…イニDの方なのですよ。
それなのにさ〜〜…サクッと秋マーとか書いてしまわれるの!さすがだなぁ…
横浜弁が難しいと言っておられた割にはサクっとな!
(実はたぶんkikiさん的にはメールでちょっと書いてみた…ってくらいの勢いだったのを、
お願いして宝コレクションに加えさせて頂くことを許してもらったのですヨ!)
いやぁ、もう幸せですだ。
でかしたぞよ、チイ…!!と取り合えず自分を褒めておきます(笑)
他人が書いた秋マーを見るとやっぱり嬉しくなりますよねvv
kikiさん、どうもありがとうございます〜〜!!
もし気が向いたら、また書いて…(とりあえず、勧誘は忘れない・笑)
そして原作も機会があったら読み直して…!!萌えますぜ?!(笑)

(ふと、kikiさんのコメントに思ったのですが、
>原作どおり?!のマー坊甘え声ロリ声炸裂v
……って、ええっ?!そ、そ、そうだっけ?!原作通りなの?!んな卑猥なーー!!笑)


ちなみにkikiさんのイニDサイトはこちら!→「kiki’s WORLD」
中里×啓介が主流です。だけどすごくたくさんのお話がありますの。アニキもスゴイ!(笑)
かなり萌え萌えできますvv大人ですvvエロです(え?笑)
そして中里がカッコイイ。さらに可愛いカッコイイ啓介が一杯!
イニDで啓介受けなら行くしかないカンジです!!(今更チイが言うまでもない)

(2005.08.21)


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