文化祭コスプレでゴー!
男なら、好きなヤツのミニスカ姿は見たい。 もちろん、セーラー服姿なんて、激しく燃える。 それが、普段見れないような姿なら尚更。 そんな男の(オレの)夢を一杯に詰め込んだみたいな…そんなマー坊が目の前にいる。 白いセーラー服に黒のハイソックス。 スカートは膝上で…結構短め。 …って、なんでスカート?!…てかセーラー服…?! 「…マ、マ、マー坊…っ!!どうした…その格好?!」 セーラー服姿で俺の前に立つマー坊。 元々華奢な体つきをしているので、全くと言ってよい程違和感が無い。 てゆーか……可愛い。 ……か、わ、い、い……(ガクッ←秋生が何やら降参してしまった音) これじゃ、知らない奴は騙されんべ? ――――女子高生とーーー……っっ!! 「女子に着せられた……」 恥ずかしそうに頬を染めるマー坊。 …ナイス女子!!グッジョブ女子!! 心の中で女達の無謀な行いを褒め称える秋生。 実は本日は乱高の文化祭なのである。(そんな行事も乱高にはある事はある) 1−Cの出し物はコスプレ喫茶なのだが…。 各自、くじ引きをして引き当てたコスプレをする事になっていた。 マー坊が見事引き当てたのは『セーラー服』。 「………」 「何よ?マー坊」 くじを引いて固まるマー坊に晶が何か文句あんのかと睨みをきかす。 「…ぜってーヤダ!!」 「言うと思ったわ!」 「だって、スカートじゃん!!」 「セーラー服なんだから当たり前でしょ。つべこべ言わずやんなさいよ」 「なんでオレがそんな女のカッコ!!こんなの女子がやりゃーいいじゃん!オメーは何なんだ よ?!」 「アタシはキャットウーマンよ!…ボンテージよ?アンタやる?!」 「……!!恥ずかしくねえの…?」 「顔隠れるからいいのよ別に」 …晶もヤケクソ気味である。 「アンタも自分でひいたクジなんだから男らしくセーラーになんなさいよ!!」 「男らしくって…!!」 男らしいかー?!セーラー服になんのがよぉぉ…!!とマー坊は心の中で叫ぶ。 「そうよーマー坊くん。アタシなんてカールおじさんよ?!」 京子も乱入してくる。…てか、京子カールおじさん…。 「えっ!オレそっちの方がいいし!!」 「アンタねー、アタシらが制服着たって、たいして新鮮味ないでしょ?」 「いや、喜ぶヤツいるんじゃねー?」 「いいからっ!大人しくアンタはセーラー着なさい!!」 「えーーーーーっ」 「男なら黙って着ろーーー!!」 そんなこんなで、スカートを穿くなんて女に間違えられそうで凄くイヤなマー坊ではあったのだが、 しょうがなく…無理矢理セーラー服を着せられたのだった。 「なるほどな…」 いいべ、似合ってんべ?とまでは言わない。 「アッちゃんは何…?」 そのマー坊の言葉に、あわよくば秋生と代わって貰おうと言う魂胆が見え隠れするのだが。 しかし、秋生には代わる気は無い。 『だって、マー坊のセーラー服可愛いべーー?!』と思っている秋生である。 というかそもそもマー坊にジャストサイズなセーラー服とか秋生が着れる訳ないし。 残っていたクジを引く秋生。 ドキドキ……。 秋生が引いたのは『バカボンのパパ』。 「バカボンのパパ?」 「いいじゃん!…オレのと代わってvv」 やっぱり!!秋生が自分のお願いを断れないと思っているマー坊である。 しかし、実は秋生、自分の欲求には正直なのである。 「マー坊…そりゃー無理だろ。晶に怒られるし…服はいんねーし…」 「それもそーだけど…」 はあ…ヤだなぁ…と未だ往生際悪くイヤがっているマー坊。 「マー坊くん、そんなにイヤなのー?いいべ?可愛いんだからよ?あれよりマシだろ?」 そう言って、現れたのはパイロット姿のカズ。 「何?カズくんカッコイイーじゃん!ずるいっ!!てゆーか可愛いとか言うなーー!!」 「オレが言いてえのは、ああいうのの方が見るに耐えなくて可哀想っちゅーコトなんだ…」 カズが指差した先にはメイド姿のミツオが……。それもヒラヒラレース系である。 可愛い……というコトは決してなく、……怖い。 ミツオは開き直っている。 『おかえりなさいませーご主人様―vv』とメイドさんの練習までしている。 「ああ…みんなの夢のメイドさんが何でミツなんだっつーの……帰って来たくねえよ」 ふう、とため息をつくカズ。 「う〜〜ん、オレ、あのフリフリよりかはマシかな……」 「……」 隣で秋生は、あのヒラヒラメイドもマー坊なら絶対可愛いって…!と想像力を羽ばたかせていた。 「リューヤくん!!1-Cにすげー可愛い女が来てるらしいぜ!」 龍也のクラスは地味に占い館である。 タロット占いやら何やら龍也には良くわからないが、そのような占いをしている。 占いをする一部の人間に任せてその他のクラスの者はたいてい暇にしている。 そんなところに飛び込んできたデブ崎である。 文化祭と言えば、他校からも訪問者がやって来るvv って事は他校の女子もやって来るvv つまり!男ばかりで出会いの無い、この乱高に他校の女子が! 出会いのチャンスなのである!! そんな訳でデブ崎はとても浮ついた心地であった。 「ああ〜…?」 硬派な龍也はイマイチ興味が無い。 「1-Cかよ…」 マサトのクラスじゃねーかよ……。 だからデブ崎はわざわざ自分に報告してくるのだというコトを龍也は分かっていた。 いくら文化祭だとはいえ、自分一人では敵クラスに乗り込みづらいのだ。 しょうがねえヤツ……。 しかし、龍也は考えた。 マサトのヤツをからかいに行ってやろう…。客として店員いじめしてやるぜ。 ニヤっと笑って立ち上がる龍也の隣にいた都筑も立ち上がる。 「オレも行く行く!」 硬派そうに見えた都筑もやはりそこは一人の男子高校生なのである。 「セーラー服らしいーv」 とウキウキのデブ崎の後に続く龍也と都筑であった。 1-C。 「セーラーセーラー……」 目当てのセーラー服の美少女を探すデブ崎。 「…お、マサト」 「…マサトじゃねーか!!」 接客するマー坊の姿を見つけた龍也と、セーラー服姿のマー坊を見つけたデブ崎の声が重なった。 「セーラー服の美少女ってマサトの事かよぉぉぉぉぉ……!!!」 「……みたいだな…」 他にセーラー服の美少女らしき人物はいない。 今この1-Cコスプレ喫茶にいる客は乱高のムサイ男だけである。 「まあ、そう気を落とすな……」 ガックリと項垂れていたデブ崎を励ます都筑。 デブ崎を励ます事で自分も励ましていた。 そこにぬっと現れたのはミツオ。 「おかえりなさいませーご主人様〜〜」 「キモイんじゃーーーっ!!」 接客に現れたメイドミツオに突っ込み力を最大限に発揮するデブ崎であった。 「げっ!!リューヤっ!!なんでテメーが!!」 「えれー可愛い女が来てるって噂でよぉ」 コスプレ喫茶最奥の特等席はドッカリとロードスペクターの3人に占拠された。 もうやる気をなくしてションボリしているデブ崎とは逆に、楽しそうな龍也。 デブ崎的には可愛い女が勘違いだと分かった時点で、こんな喫茶に用はなかったのだが。 マサトいじめを目的に来ていた龍也はむしろ楽しそうである。 「…へえー…誰のコトだろーな…?今店内、他校の女子なんていねーけどぉ」 新規の客が入ったと、何も知らずにオーダーを取りに来てしまったマー坊。 「セーラー服着てるって話だったけどよぉ…そんな格好してるヤツ、オメーしかいねーなぁ…」 「……」 「なかなか可愛いんじゃねえの…スカート。似合ってんぜ」 「…ああ〜?誰がスカートなんか似合うかよ?…で、何にすんだよ?」 わざとマー坊の嫌がる言葉で嫌がらせをする龍也。 龍也のからかいにピキピキを押さえながら接客するマー坊。 (ここで喧嘩すると晶に怒られる) 「うわーあのテーブルの空気怖いわー…マー坊くん笑ってるけど、スゴイ怖い笑顔ねー」 忍姿の美紀は不穏な空気を漂わせる龍也のテーブルを厨房から覗き見て呟いた。 「ちっ…リューヤのヤロウ…何しにきやがった…」 ナース姿のリョーが苦々しく呟く。 「ぜってー、そのうちナンかイチャモンつけてくんぜ?きっと…」 「そっかァ…?ほっとけよ…」 バカボンのパパ姿になった秋生はイキむリョーを宥める。 そこへ帰って来たマー坊。 「何?!リューヤのヤツ!!超、ムカツクーーーっ!!」 誰がスカートなんか似合うかっての!!と結構言われたことを気にしているマー坊…。 「マー坊くん、注文は?」 美紀に冷静に問われ、ハッと我に返るマー坊。 「アイツよりによってイチゴチョコパフェとか注文すんだよー!アイツ甘いモン食えねーのにっ!! キモイーー!!」 キモイキモイ、と半泣きなマー坊を置いておいて、 「こりゃー、長居する気だな…」 「うんうん」 「まっ、しょうがねえ…作るか…」 秋生とカズ、ジュンジはせっせとオーダーに取り掛かる。 「イチゴチョコパフェ3つーー!!」 「でよ…誰が持ってく…?」 出来上がったイチゴチョコパフェ3つを目の前にして1-Cの面々は作戦会議。 「オレ、ぜってーヤダっ!!」 力一杯言い切るのはマー坊。 「オレなんか喧嘩しそうだし」(リョー) 「それはヤバイ。晶に殺されんべ」(カズ) 「アタシだってイヤよー!こんなヒゲ恥ずかしいモン〜〜」(京子) 「んな事言ったら、オレだって鼻毛だべ」(秋生) 「オレなんて既に拒否られてんだぜ……」(ミツオ) 「アンタ達!!何グダグダ言ってんのっ!しょーがないわねっ!もう、アタシが行くわよ!」 そう叫ぶ勇気ある晶におおっ!!と皆から歓声があがった。 「お待たせしましたー。イチゴチョコパフェでございまーす」 「……っ?!!」 「ブーーーっっ!!」 露出の激しいキャットウーマンがイチゴチョコパフェを運んで来たものだから、 さすがのロードスペクターの3人も動きが止まる。 デブ崎に至っては飲んでいた水を噴出していた。 「……は、半村ァ…?」 恐る恐る聞く龍也。 そのカッコ…アニキが泣くぜ…? 「ハイ?誰の事ですかー?」 しらっと応えて踵を返す晶。 誰の事って…その声…と突っ込むトコではあったのだが…。 颯爽と戻って行くその姿に3人は何も突っ込めなかった。 ロードスペクターの3人は思いもかけず晶によって牙を抜かれてしまった状態に……。 つづいちゃったりして… ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ しかしね、乱高の文化祭、解放されてても行かないよ…普通の女子は。 ちなみに各キャラの担当コスプレはこのようになっております。 マー坊:セーラー服 アッちゃん:バカボンのパパ 晶:キャットウーマン 美紀:忍 京子:カールおじさん リョー:ナース カズ:パイロット ミツオ:メイド 拓ちゃん:ブレザー おっジュンジだけ決まってませんでした…(笑) 戻る |