☆なれそめ/チイ





★☆どうして二人は結婚したのか?新婚土緋のはじまりを妄想!!☆★









目を覚ました緋咲さんは、珍しく困惑してました。 

自他共に認めるアルコールの強さで、今まで一度たりとも記憶を無くすという失態を犯した事はありません。 

それがです。 

目を覚ますと、昨日の記憶がポッカリ抜けてます。 

しかし、問題はそれだけじゃないのです。 

ビックリした事に裸でした。 

…スッポンポンでした。 

しかし、それだけじゃなかったのです。 

隣には何故か土屋が寝てました。 

どういう訳か、同じ布団で仲良く寝てた様なのです。 

確認してみると、…土屋も裸でした。 

「……」 

緋咲さんとしてはかなり珍しい事ですが、しばし言葉を失いました。 

とりあえず、土屋を置いて、シャワーに行きました。 









ハア…。 

緋咲さんは額を押さえ、ため息をつきました。 

鏡に映った自分の首筋や胸元に…どうやら土屋がつけたであろう跡が何個もありました。 

そして、それを見た瞬間、少し昨日の事を思い出しました。 

自分の肌をくすぐる土屋の唇の感触と、その軌跡を瞬間的に思い出してしまいました。 

…よりによって…土屋に、許すなんて…。 

緋咲さんは珍しく自分にムカツキました。 

さらに土屋に対しても、 

(オレが酔っ払ってんのをイイ事に…) 

とふつふつと怒りが込み上げてきました。 

しかし、緋咲さんと土屋の力関係から言って、緋咲さんがイヤならそーいうコトは起こらないのです。 

いかに酔っ払っていたとはいえ…。 

「……」 

その事に気付きたく無いけど、気付いてしまった緋咲さんは、非常にガックリしました。 

認めたくないのです。そんな事。 

自分が好きで土屋とコトに及んでしまったなんて…。 











一方、寝室では。 

「う〜ん…緋咲サン…もっとォ…ムニャムニャ」 

土屋が寝ぼけて変な寝言まで言ってました。 

ハッ!! 

目を覚ました土屋は、ガバッと起き上がります。 

アイタタ……二日酔いで少し頭が痛いです。 

しかし!!そんなコト言ってる場合じゃないのです。 

隣にいるはずの緋咲さんを探しましたが、そこには誰もいません。 

…夢?! 

違うアレは夢じゃない!! 

そう、ちゃんと緋咲さんが隣で寝ていた痕跡はあるのです。 

そもそも、ココは緋咲さんのベッドです。 

――今まで、緋咲さんをムリヤリ押し倒す夢なら何度も見たけど、昨日のアレは夢じゃなかった。 

それも…無理やり、でもなかった…?? 

土屋はドキドキバクバクしだす心臓を意識しながら、昨日のことを考えました。





以下…★土屋の回想(微妙に箇条書き)★ 
昨日。 
酔っ払ってここまで帰ってきて。 
かなりの量を飲んでいたので、お互いに結構足にきていた。 
オレは緋咲さんをベッドまで送り届けて帰るつもりだったけど、肩に回した腕を解くのを忘れて、 
一緒にベッドに転がり込んでしまった。 
気がつけば、うまい具合にオレは緋咲さんの上に乗っていて、超至近距離に緋咲さんのアップがあった。 
緋咲さんは、無防備にもそのまま眠りにつこうとしていた。 
オレは緋咲さんの、火照った頬や、赤く色づいた目じりなんかを見ていた。 
オレは、アルコールで重かった頭の片隅が急激に覚めた。 
もしかしたら、覚めたというよりもむしろ、壊れたのかもしれない。 
ぼんやりしていたのが、霧が晴れたかのように。 
もう、緋咲さんから目を逸らせなくなって、思わず、キスした。 
緋咲さんが寝てるのをイイ事に、好き勝手にやった。 
そのうち、目を開けた緋咲さんに言った。 
「オレ、アンタのコト、好きなんすよ…」 
「…ああ、知って…る」 
そしてまた、唇を奪った。 
緋咲さんは酔っ払ってるせいか、拒むことを忘れてるようで。 
オレの動きに合わせるようにして応えた。 
むしろ、その動きはオレを誘うかのようだった。 
「……なんで、こんなコト…許してんですか…」 
「…あ、…さあ…な」 
「緋、咲サン…」 
「オレだって別に…キライじゃねえ…よ」 
アルコールのせいか、潤んで熟れた瞳で見上げられて。 
ましてや、そんな事をいわれては。 
ゾワリ、とオレは全身の毛が逆立つような感覚で。 
だけど次の瞬間にはカッと全身が発熱した。 
緋咲さんがオレの首に腕を回してきたので、オレはもう自分を止める事ができなかった。 
それは…了承の合図なんですか?! 
聞けなかったけど、そういう事にした。 
オレは。 

以上、土屋の回想終わり。








緋咲さんは頬杖をついて、リビングでテレビを見てました。 

土屋が部屋に入ってきたのに気づいてますが、何も言いません。 

ああ、緋咲さん、怒ってる? 

土屋はもう、ドキドキハラハラしてます。 

オレは、どうなってしまうんだろう…そんな不安で一杯です。 

「緋咲サン…」 

恐る恐る声をかけてみると、チラリと冷たい目で一瞥されます。 

「あの、昨日のコト……スンマセン…」 

何故か誤ってしまう悲しい土屋。 

「…昨日のコトな。」 

緋咲さんは形の良い眉をしかめながら、真正面から土屋を見返して言います。 

「あんま、覚えてねェんだけどよ…」 

怖い、怖いよ〜〜!! 

怖いけれども、緋咲さんからは視線を逸らせません。 

「オマエ、昨日…オレに何か言いにくいコトしただろ…?」 

「…ハイ」 

ああ、やっぱり…。 

緋咲さんは起こってしまった事実にちょっと落ち込みます。 

んで、何でコイツはこんなに後ろめたそーにしてんだ。 

別に、オマエだけが悪いワケじゃねえだろ。 

オレはイヤなもんをムザムザやられるタマじゃねーんだよ…。 

いくら酔っ払ってよーが。 

緋咲さんは、もしかしたら、自分の方で土屋を誘ったんだったらどうしよう、と思ってました。 

だって、でないと土屋とそんな事になるなんて。 

イヤなとこを土屋に押し切られるなんて自分には考えられないから。 

……つまり、土屋とこうなってしまったのはイヤじゃなかったと言うことになりますね。 

ちょっと、またムカついてきました。 

…コイツもそこんとこ、分かってんのか…? 

何だか緋咲さんはムカムカしてきました。 

腹いせに、土屋に意地悪したくなりました。 

緋咲さんはとても意地悪なので、すごく焦って困ってる土屋を無言で見ていました。 

「…責任とれよな?」 

意地悪ついでに言ってみました。 

「セキニン…」 

なにやら考え込んだのは土屋です。 







そして。 







「緋咲サンがイヤっつっても取りますよ…?」 

土屋は、なにやら思いつめた顔でそう言ったのであります。 







そんなこんなで、土屋は責任取りました。結婚しました。 















☆★☆★☆★ 
捏造しました。ご、ごめんなさい!!
って土屋。「やった責任は取らないと…」って古き良き時代の男だよ。
こんなんヤダ!!とか言われても…やってしまったものはしょうがない(←私も)
責任取ります(私も)苦情はチイまで。
それにしても…エロ担当みたいです、自分。殴られそうです(笑)


(2004.2.28)
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