ポッキーゲーム










「アッちゃん、はい、アーンvv」

そう言ってマー坊が勢いよく食べていたポッキーを俺に突き出してくる。



「あぁ・・・」



マー坊が食ってる菓子を俺に進めてくるのはいつものことだから手を出して受け取ろうとする。

ここまではいつもどおりだったのだが。



「ん・・・」

と手に持っていたポッキーを口に咥えて俺に顔を近づけてくる。



・・これを食えってか・・・?



教室で駄弁っていた爆音の面子の動きが止まる。

数名を除いては。



結構、ビビった。


「マー坊、どうしたんヨ?」

とりあえず、思っていることを素直に聞いてみた。

「別んいいから!」



勢いよく顔を近づけてくる。



「んーっ!」



その少しむくれたような顔とか閉じられた目とかすげー可愛いんだけど。



マー坊の肩越しに見えるリョーのニヤニヤした顔とかがエラくムカつく。

晶の刺さるような視線が痛い。


いくらなんでも恥ずかしい。

こんな人間の多いところで、所謂ポッキーゲームなんて出来るわけがない。



「あ、あぁ・・・」



どうしようもなかった俺はマー坊が口に咥えて突き出してきたポッキーを

真ん中の辺りから手で折って食べた。



「あー!!アッちゃんなんでそーゆーことすんの!?」


「なんでってヨォ・・・」



どうしていいのかわかんねぇ俺をほっといて

マー坊はギッといままで笑っていたリョーたちを睨みつけた。



さっきまで笑っていたのに急に黙る奴等。

さらにそいつらに冷たい視線を投げかける晶。

睨み続けるマー坊。

どうしていいのかわかんねぇ俺。



妙に変な空気が流れ出す。







「ち、遅刻しちゃった・・・」


と、そこへ拓が入ってきた。



「あ、拓ちゃーんv」


拓の姿を発見するとマー坊は拓のところへ行って何もなかったように話を始めてしまった。


張り詰めていた雰囲気がどっと緩む。

何もおこらねぇで良かったと内心思っているとリョーが近くに寄ってきた。


「いまのマー坊くん、可愛かったべ?」


「・・・あ?」

「しばらくマー坊くんあんなんだろーからヨォ、俺らに感謝してくれヨ?」

言ってる意味がわかんねぇけどリョーはそのままサボるらしく手をひらひらさせて帰ってしまった。


なんなんだよ、いってぇヨォ。


そのまま、ボーっと1日が過ぎ、下校の時間になって、それぞれ帰っていく。


適当に帰ろうと席を立つとマー坊が笑顔で近づいてくる。



「アッちゃーん、一緒に帰ろーvv」

「お?いいぜ?」



でも一緒に帰るのはとても嬉しいが、さっきのリョーの言葉が気になる。

マー坊になにがあったんだ・・?

殴られすぎて馬鹿にみがきが掛かったか?(ヒデェ)



と、悶々と考えていると。



「かえろぅ?」

腰の辺りに抱きついて上目遣いで見上げてくる。

あまりの可愛さに、絶句。



犯罪だべよ。これ。





適当に家に帰り、一緒にくつろいでいるとマー坊がいつもより積極的に擦り寄ってくる。

でも、こういうのは珍しくなくて、甘えたい時の最大限の表現なんだろーと思ってる。

俺もそれ相応の表現をしてやりたてぇけど。



「ね、アッちゃん、キスしても、いい?」



目を閉じて、俺のシャツをぎゅっと握った。



「オウ・・・」



軽く1回唇が触れてから、もう1回。

挑発するように下唇を噛まれる。頭を撫でてやるともう1回強めに噛み付いてくる。

薄く開けたくちに無遠慮に舌が割り込んできて口内を嘗め回す。

互いの唾液で濡れた唇をさらに舌で綺麗に舐めてまた強く噛まれた。


「イテェよ、マー坊」

「いいの」

2,3回啄ばむようにキスをされてから舌を絡め取られた。

軽く吸うように舌を絡めてくる。





「なあマー坊・・・・・・・何かあったんか?」


マー坊のやりてぇようにやらせて、一息ついたところで聞いてみた。


マー坊は少し目を見開いて、横を向いた。

俺のシャツの端を掴んでいた手を、ゆるゆると離す。


「いや?こうゆー俺、いや?」


切ないような顔をして俺を見上げてくる。



あー、どうすんべ・・これ・・・。



「まぁ、なにがどうしたんか言ってみろよ?」

優しく、引き寄せる。




「だって、最近アッちゃんと美紀なかいいだろ?」

「別にそんなことねーってヨ・・・?そんで?」

「リョーちゃんたちがさ、俺は美紀より色気がないって」





アイツ等・・・・(怒)



「だからもっと可愛く、アッちゃんに甘えればいいって」


「・・・・そーか」


つまり、すべてアイツ等の差し金だったわけだ。


あんとき、教室でニヤニヤしていたことやリョーの言葉の意味もわかる。




「それでもダメなら俺美紀に勝てねーよ・・・。」


だんだん泣きそうになってきたマー坊を抱きしめる。

あー、もう。

マー坊がなにをしたっても好きだってのはぜってぇかわんねぇのに。




「俺が愛してんのはマー坊だけだぜ?」

「ホントに?」

「オウ」

「いつもどーりの俺でいいの?」

「あたりまえじゃねーか。まぁ、どんなマー坊でも好きだけどよ」




そう言って笑ったら、思いっきり抱きつかれた。



「やっぱアッちゃん大好きー」



これで、またいつもどーりだと思った。

力いっぱいマー坊を抱き締めかえして。




昼間のマー坊を思い出して、一人笑った。





次の日。

あの時悪知恵を入れ込んだ爆音の人間が

真里の手によって怒りの鉄槌を受けたことをアキオは知らない。



















――――――――――――――――――――
ちょっと積極的乙女マー坊辺。
ありえないくらいナヨナヨしすぎちゃったか・・も・・ガクリ。
色気ないとか言われたら普通切れそうですけどね!
しかも落ちが妙だよ!すごく変(笑)
まぁ普段からマー坊は割と積極的なイメージがあります。
あんまり乙女チックとか大人な感じとかじゃない気がしまっする。
とりあえず書いてて楽しかった。ウフ。

メギのなかの女神、チイさんに捧げます+*
――――――――――――――――――――
(チイ)
メギさん、ありがとうございます〜〜vv秋マーだ、秋マー〜〜vv
うわあ、マー坊が美紀に張り合ってる!!と可愛いマー坊に照れました(キャ///)
(私が書いたらこんな可愛いマー坊には…絶対ならない…笑)
アッちゃんじゃなくても、見てる方は照れる、絶対〜!!(笑)
思えば、秋マーってラブラブで恥ずかしいですよね〜見てるコッチが。そういうカプだと思います(笑)

メギさんの書かれる秋マーは自分に無い物がたくさんあって新鮮です。
マー坊は可愛いです。アッちゃんはカッコいいですvvこれからも期待してますvv
可愛い秋マー物語、本当にどうもありがとうございました!!

…メギさんのサイトは現在行方不明(…何故?!メギさん何処ですか〜〜??)


(2004.4.22)
戻る