月明かり
愛してるとか、好きだとか、言葉はもう 要らないから。 言葉で何か言うよりも、ただ その体で見せ付けろ。 イイならその表情で。 集会もお開きになった深夜。 閑散とした峠には、虫の声のみが響いている。 夏特有の熱気が、深夜といえども辺りを取り巻いている。 路肩にひっそりと停められた単車が二台。 真紅のCB400Fと白地にレインボーラインのKH400。 しかし、持ち主の姿は見当たらない。 満月に近づいた月が、ひっそりと佇むそれらを照らし出している。 ―――ハァ、…ァッ… 月の明かりも遮られる、深い木々の間から悩ましげな吐息が漏れる。 秋生は背中を木に凭れさせ、自分の膝の上で、月を背負って喘ぐ真里を見ていた。 上に羽織った特攻服が肌蹴て、肘の辺りで引っかかっているのがイイ感じだ。 袖だけを引っ掛けた腕は、秋生の肩にすがり付く様に伸ばされている。 秋生が腰を使う度にギュッと力がこもって、秋生の肩に爪を立てる。 「…マー坊、あんま爪たてんなよ、痛ェ…」 そう言って、しかしまた、細い腰を掴んで下から揺さぶる。 真里は、秋生の声はまるで聞こえないかのように、爪を立て、顎を仰け反らせて喘ぐ。 木々の間から漏れた月明かりが、その首筋を照らす。 まるで照明を当てられたかのようなそこに、秋生は舌を這わせた。 そのまま、耳朶に唇を這わせていき、耳に吐息を吐きかける。 ついでに舌をも滑り込ませ、クチュリ、と卑猥な音を立てて耳を犯す。 ―――んッ ビクリ、と体を震わせて、押さえきれない喘ぎを漏らす真里。 真里は耳が弱い。 それを知っているから、尚更執拗に攻める。 思い通りの反応を返す真里を見て、秋生は口の端を持ち上げる。 征服欲を満足させて、再びゆったりとした動きで真里を味わう。 ―――は、あッ、…アァ、アァッ… 秋生の動きに応じて喘ぐ真里が愛しい。 快楽と苦痛とがない交ぜになった状況を、両手で秋生の頭を抱きしめて必死で耐えている。 快楽のせいか、苦痛のせいか、またはその両方か、瞳は涙で潤んでいる。 伏せられた睫毛の隙間から、その涙がキラキラと輝いている。 眉を寄せて、何かを必死に耐えているカオ。 その表情が堪らなく好きだ。 そんな真里を間近で覗き込み、喘ぎをも奪うかのように唇を塞ぐ。 全部オレの物にしたいから。 ―――ン、…ンッ…ウゥーッ、ンン… 秋生は口の中で真里の喘ぎを聞いていた。 その喘ぎにもまた、ゾクゾクする。 愛してるとか、好きだとか、もう 言葉は要らないから。 言葉で何か言うよりも、ただ その体で見せ付けろ。 イイならその表情で。 揺すぶられていた真里は、うっすらと目を開けて、秋生を見る。 秋生は無言で真っ直ぐに視線を合わせてくる。 …見つめ返してくるその瞳が好きだ。 普段は優しいくせに、こんな時だけ容赦の無いトコも堪らなく好き。 秋生の唇を、ねだる様に、舌で刺激する。 すると、与えるように、秋生は深いキスをくれる。 しつこく揺さぶられる体は、幾度となく秋生自身を飲み込んで、痺れている。 痛いのか、気持ちいいのか、自分でもよく分からない。 ただ、秋生の動きに合わせて、声をあげるだけ。 塞がれた口から、吐息も、喘ぎも、全て秋生に奪われる。 普段の秋生とは全然違う。 いつもよりも強引で自分勝手。 でも、それもアリだ。 それも好きだ。 もう、全部やるよ、好きにしろよ。 変に投げやりな気分になりながら、ただ、秋生の動きに合わせて快楽を追い求める。 秋生と体を一つに繋げて、互いの体を感じまくる。 触れた部分から、視界から、声、ニオイ。 堪らなく感じる、お互いの存在感。 それだけが妙にリアル。 明け方までは、もう少し。 ☆ごめんなさい。 無意味に…エロで(笑) アッちゃんはちょっと意地悪します。 そんなアッちゃんもアリじゃないでしょうか? ダメですか…(笑)…スイマセン! マー坊はちょっとムカツキながらも、それがイヤじゃないです。 って何言ってんだ…逃走!! それにしても、何かオヤジ入ってますかね。私。 言葉の端々に…(笑) そして、よく考えなくても青●…(汗) 2人がいつもより燃えてそう…という妄想の元に。 (2003.10.1) 戻る |