「どしたよ?ヒロシ……?」
「どうしたもこうしたも…」
オレ、沢渡ヒロシ。
族の世界では知らぬ物はいない有名人。
横でオレに話しかける親友キヨシとともに風神・雷神、獏羅天地獄の1番機と呼ばれている。
オレ達の通るトコ、どんな人ごみでも道が出来る。
人ごみは向こうからよけて行く。
こめかみに血管を浮かべて不機嫌丸出しな今日のオレは、そんな力はいつもの三割増しだ。
オレが不機嫌な原因。
それはひとつ。
時貞だ。
昨日、夜中。部屋に帰ると既に時貞がいた。
アイツはどうやって入るのかは知らねえが、鍵も持ってねえクセに勝手にオレの部屋に入っている。
恐ろしい事に本当にどうやって入ってきてるのか分からない。
げっ!今日もいやがる!…つーか勝手に人の部屋に上がりこんでんじゃねえ!
と、とり合えず罵倒したが、時貞は返る気配がないし、相手をするだけ無駄に思えたので、
ほっといて寝たのだ。
それが間違いだった。
力づくで追い出せばよかった。
時貞に力づくで言う事きかせようなんて、骨の折れる事を…と面倒臭がったオレが悪かった。
今日、朝、目が覚めたら時貞はいなかった。
それはいい。
だけど、オレが真っ裸だった。
…おかしい。
オレはちゃんとスウェットに着替えて寝たハズだ。
てゆーか、外人じゃあるまいし、真っ裸で寝る習慣なんてねえ。
…時貞。
アイツだ。
アイツに違いない、オレを真っ裸にしたのは。
…で、なんで真っ裸にしたのかという事だ、恐ろしいのは。
オレを真っ裸にして…何した?!
まさか、ナニしたなんて事はねえだろうな…とオレは、
オレの知らない空白の数時間と時貞に、ムカムカしていたのだ。
これは、時貞のヤツを捕まえて、何したか聞き出して懲らしめてやらねえと!
ってゆうか、そろそろオレに対する日ごろの悪行三昧を、いい加減落とし前つけさせてやる!!
「キヨシ!!時貞だ!アイツ探してぶん殴ってやるっ!」
「…はあ?」
いくぜっ?!とオレはイマイチついて来れてないキヨシを呼び、ZUのギアをローに入れた。









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(2006/12/13)

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