| オレのマー坊をありがとよ…。 と、まるで「マー坊に代わって礼を言うぜ」、なアッちゃん。
 何だか、無性に(笑)カッコイイと思うのは私だけですか……?
 いや、むしろ、そういえばあの時アッちゃんって何してたんだっけな〜…
 不甲斐ないアッちゃんだったんだっけなー(笑)と思い出す。
 
 
 ――秋生くん、こんな所に呼び出してどうしたんだろう…?
 拓は秋生から呼び出され、一足先に屋上に来ていた。
 冬の風が冷たい。
 「オゥ、拓」
 「あ、秋生くん…どうしたの…?」
 「ああ…」
 屋上に現れた秋生は少し言いにくそうにしている。
 ――あれ?何かいつもと様子違うような気がするなー…?
 「…昨日のコトよ…その、アリガトな」
 「えっ…昨日…?」
 「マー坊のコトだよ」
 ――ああ、秋生くんが言いにくそうにしている理由が分かった。テレてるんだ。
 「アイツはよ…無茶ばっかすっしよ…頭のクセに後先考えねーしよ…」
 秋生は空を見上げて言う。
 「…でもよ…オレ、アイツにナンかあったらよ、マジでダメなんだ」
 淡々と独り言のように言う。
 「いつも、その前にオレが何とかしねーとって思ってんだけどよ……」
 拓は黙って秋生の言葉を聞く。
 「でも、マー坊はよ…そんなオレの気なんか知らねえで、
 勝手にどっか行って好き勝手に無茶してくんだよナ…」
 フー、と深い溜息をついてポケットからタバコを取り出す。
 「昨日、もし…マー坊が逝っちまってたらよ……」
 秋生は目を閉じて、空を仰ぐ。
 ――秋生くんって、普段から心配性な気はしてたけど。
 ――これって、また違うヤツだよな……
 ――秋生くんにとって、マー坊くんて…特別だから。
 
 「……だからよ、サンキューな」
 秋生は拓に向き直って優しく笑った。
 拓は、秋生が一心にその優しさを注ぐマー坊を羨ましく思った。
 ――それ知ってて無頓着に好き勝手無茶するマー坊くんて最強…というか最凶だよね…。
 
 
 注:別に秋生←拓というわけではございません(笑)
 アッちゃんはたまにはオレの気苦労を誰か聞いてくれ、みたいな。
 マー坊にはいくら言っても通じなさそうだし。ちょっとはモヤモヤが解消しましたか。
 はッ!それではイマイチカッコよくない、アッちゃんのような……。
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